バラエティに富んだ海

九州の珍味においては、有明海を欠かすことはできません。筑後川を中心とした河川がもたらす土砂と潮の満ち引きによって栄養が豊富になった干潟。日本でも珍しい環境が生み出す生態系は、がん漬や黒磯海苔のみならず多様な生き物たちを育んでくれています。ここではその恵みを活用してきた一端をご紹介したいと思います。
・むつごろう
佐賀県鹿島市周辺の干潟で漁を行います。昔ながらのむつかけという漁法を行える人は、現在では片手も埋まらないほど希少になりました。夏の間、限られた数量しか出回りません。主に蒲焼きや甘露煮にして食します

・ワラスボ
鰻の様でもあり蛇のようでもあり、最近はエイリアンとも呼ばれた珍魚ワラスボ。滋養にあふれることから、佐賀を治めた鍋島藩からは貯蔵食にせよ、と命令がでたと伝わっています。

・タイラギ貝(平貝)
漁期は12月~3月、海底に突き刺さる状態で生息しているタイラギ貝。潜水服を着用し船上から送られる空気で呼吸しながら網持ちと連携しながら漁を行いました。

有明海

タイラギの貝柱を漬けた粕漬

取材協力:
今村食品株式会社
川原食品株式会社
株式会社竹八
株式会社高橋商店

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